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電網庁がWebサイトで「世界クラウド勢力チャート」の一部を公表

戯事通信
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7月1日10時10分配信
クラウド時代のガバナンス(統治能力)を意識する日本政府(戯事通信)
 電網庁のトップページがリニューアルされ、新たなデザインモチーフとして「世界クラウド勢力チャート」が採用された。このチャートは電網庁が独自の研究結果を編纂したもので、「インターネット接続法を施行した結果、日本はネットセキュリティの勢力地図を書き換えた」という主張が込められている。

 1998年のICANN(インターネットのドメイン管理機関)創設時から「ネットの管理者は誰であるべきか」、すなわちインターネットガバナンスは大きな課題であった。ICANNはカリフォルニア州法下にある民間団体にすぎない。米国中心の管理は問題とされ、2000年頃までは世界各地の代表を交えて新たなネット社会の秩序を生む気運が高まっていた。ところが9.11を境に米国は警戒感からドメイン管理を強化、それが国連で取沙汰される事態に発展、2005年に論争の舞台は国連ワーキンググループへと移され、翌06年にはIGF(インターネットガバナンスフォーラム)第一回アネテ会合がギリシャで行われた。IGFは5年の時限つきで発足しブラジル、インド、エジプトで毎年開催されてきたが、サイバー空間において年々深刻化する安全保障問題の実情とはリンクしていないという指摘も多く、昨年の第四回会合において中国が「フォーラムに意味がない」と解散要求を突きつけている。情報先進国である欧米露は「水面下の流れ」を十二分にコントロールしており、IGF開催はあくまで後進国を欧米露の意図に沿う形へ方向付けするためのパフォーマンスにすぎないというのが中国の主張であった。

 では実情はどうか。ガバナンス議論が及ばぬサイバー空間の国際秩序は、かならずしも欧米露の思惑どおりに進展しているとは言い難い。国際サイバー犯罪・サイバーテロはますます深刻化し、リアル空間の国境とは似ても似つかないサイバー空間勢力地図ができあがりつつある。それを示そうとしたのが電網庁の「世界クラウド勢力チャート」だ。ここには米国やロシア、EUといった国境にリンクした勢力と、その他の民間ステークホルダーが同等の存在として描かれ、なおかつサイバーテロ/犯罪組織やハクティビスト(ハッカーの思想団体)が互いにどの勢力と連携しているかが克明に描き出されている(各組織名は三種免許以上なら表示される。外交的配慮により「反目」を意味する線分と宗教団体の枠組みは記されていない)。驚くべきことに各勢力は互いにサイバー空間で独自の外交交渉を進めており、独立国家がハッカー集団と対等な不可侵条約を結んでいるケースまであるという。

 このような実情をにらみ、寡黙な努力を続けて来たのが日本だ。表向きはIGFに代表団を送り込みその活動を評価しながら、実は中国に負けない勢いで国産のGPS衛星「準天頂衛星」を七機打ち上げ、国営基幹ネットワークASKQAの開発に投資し、実に七年もの時間を費やして水面下の力を蓄えてきた。そうした努力の末にできあがったのがチャートの一角を占めるサイバー国家日本の姿というわけである。昨年末の芝宮組摘発はサイバー外交の橋頭堡であって、以来この半年で日本はクラウド勢力図のプレゼンスを圧倒的に強めたと言われている。

 電網庁によればチャートは毎年更新の予定。欧米露中はこの勢力図に懸念を表明しており、日本の国境線が誇張されて描かれたり、あるいは特定の団体を矮小化して描こうものならハッカーたちも黙ってはいないだろう。日本発、新たな世界地図の誕生。「領土問題」ならぬ「領雲問題」の行く末を国民全員で見守って行かなければならない。(怪田忍)

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