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総務省電網庁のトップページ。今朝からインターネット接続法施行の通達が表示されている。(戯事通信)
内閣法制局は21日、インターネット接続法の施行を通達した。今日から罰則規定が効力を持つため、監督省庁である総務省および電網庁がまだアクセス免許の交付を受けていない国民にテレビ・ラジオを通じて注意を呼び掛けている。
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インターネット接続法って何? - 総務省・電網庁
みなさんはパソコンや携帯電話の検査を済ませているだろうか。今日から「ネット機器検査適合証」を取得したインターネット機器でしかアクセスは認められない。総務省の推定では現時点で検査済みネット機器は五割に満たないため、国民の大多数は「違法ネット機器所持違反」に該当しているといえる。但し、罰則規定の条項には「違法ネット機器の所持が発覚した場合でも、すみやかに検定料を支払う場合は処罰しない。また、破棄を希望する場合も処罰しない」という例外規定が存在するので、「古いパソコンを持っている人は即犯罪者」というわけではない。
むしろ問題なのはアクセス免許だ。今年六月から全国民へ無条件に電網五種免許交付が開始された。日本国民ならば一律取得できる五種免許は小学生相当、つまり身元保証人=四種免許所持者の同席なしではネットの利用が許されない。十三歳以上なら四種以上の資格を得る「ネットアクセス免許試験(ネッ験)」を受験できる。各地方自治体が9月から一斉に実施を始めたネッ験。ところが海外勤務する社会人や留学生、ネット利用に関心が低い高齢者など一部には五種免許すら手にしていない<無免許者>が数多くいるという。14日の電網庁の発表によれば、無免許者数は国民の三割程度。彼らは無意識に「電網四種以上の資格が必要となるサイトへのアクセス行為」に及ぶ可能性がある。こういった「悪意を持たない違法アクセス犯罪」を防止するため、電網庁は今後徹底したプロモーション活動を行っていくという。
一部有識者からは「小学生程度の自由度しかもたない電網五種免許を大人に一律交付する行為そのものが無駄」という指摘もある。この指摘に対し電網庁の広報は「自由に使えたネット利用を改めて資格で制限するので、混乱が予想される。あらかじめ国民に向け、免許の種別ごとに何が許され、何が許されなくなるのか、何のためのASKQA(=アスカ/国営ヴァーチャル3Dポータルサイト)か……等周知を徹底したいという狙いから、全国民への一律五種免許交付という機会をつくり説明を行うべきと判断した」と説明している。
ところで、今日の法施行を前に電網四種以上を取得した国民がどれぐらいいるのだろうか。電網庁の発表によれば五種の交付を受けた国民の約八割が四種以上の試験を即日希望し、9月から順次訓練を受けている。しかし本誌が取材した結果によれば、一週間程度の訓練を経て試験に合格したのは希望者全体の五割に満たない。全国の免許センターが大混雑しているという実情もさることながら、約一週間は座学しなければならないというアクセス訓練が重すぎるという多忙な社会人も多いことだろう。
電網三種以上は難関だ。IPA(情報処理推進機構)が交付する国家資格(ITパスポート、情報処理技術者など)を持つ場合、四種受験をとばし三種以上を受験することが認められている。ところが、夏から本格稼働したばかりの国営3DポータルサイトASKQAの利用規約に関する知識を問う設問が多いため、結局四種の受験勉強を余儀なくされるという。「ITに関する技能だけを問うわけでないため、アドバンテージが少ない」とは筆者の友人であるシステムエンジニアの弁。というわけで今日の法施行前に三種以上を取得できた国民は希望者の三割程度、国民の一割未満とみられている。電網二種、一種は夢のまた夢。
他方、外国人は徹底的に「例外」扱いするネット新法。彼らが検査証のないパソコンを所持していても逮捕されることはない。そのかわり、外国人は日本人に義務づけられるASKQAへは逆立ちしてもアクセスできない。試験の門戸すら開かれていない――つまり鎖国だ。「裏社会ではホームレスから電網五種免許を買い上げて、在日外国人に売りつけるっちゅうビジネスが期待されてます」とは、筆者の友人である某移民援助NPO職員の弁。「施行が年内に前倒しになったでしょ?ホームレスの連中にとっては年越し前のボーナス、まさに福音ですわ。クリスマスプレゼントやね。それと、この話とは真逆で外国人登録証明書を売買するっちゅうのもオークションに出てますし。日本人というだけで海外のサイトへはアクセスしにくいわけですから、そういう発想もでてきてます。まぁ、外国人で食ってる俺らにとってはビジネスチャンスいただきましたっちゅう感じ」人権侵害と批判の強かった<外国人登録証明書>が、今後は電網一種免許並みの価値を持つかもしれないのは皮肉な話だ。裏社会とは、かくもたくましいものか――。
いよいよ今日から国営ポータルASKQAを通じてのみアクセスが許されることになったインターネット。サイバー犯罪、サイバーテロを撲滅するという触れ込みの新法だが、利便性とのバランスが実現できるか。五種の交付を受けた国民が七割に満たない実情は、新法に懐疑的な国民の声を反映したものといえるかもしれない。【草之根真】
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