BSフジ「ジャパコンTV」で報道番組風アニメに挑戦。

CGと手描きを混在させたアニメ作品は得意とするところですが
今回は「口と目ぐらいしか動かない」ニュース番組のスタジオという難題。
被写体がまったく動かない場合、人と違ってアニメは「静止画」になるので間が持たない。
しかもCGと人を合成したスタジオの映像には見慣れてきています。
アニメキャラにニュースを読ませるという企画まではいいとして…でもそのままでは勝負にならない。

何か「アニメキャラクター」でしかあり得ない映像表現はないものか?

悩んだあげくキャラクターをCGの土台に乗せて動かそうという結論に。
これを実写合成でやる場合、さすがに危険ですから(^^;

ジャパニーズコンテンツを題材にした番組ということもあって
土台のデザインは日本発祥の伝統的ポップカルチャー「花札」をモチーフとすることにしました。
永田明日香さん描き下しのテクスチャ。アクリル塗りの出来映えはアニメにはもったいないぐらいです。

「ひらめきはつめちゃん」な大沖さんの手描きキャラを土台に乗せてみると…思いのほか可愛い。
スタッフはちょっとテンションあがりました。

さらにこの土台、プレゼンテーション用のモニタにもなるのです。ホログラフ的な?

肝心のアニメの出来は?というと、
報道の堅さをやわらげる演出手法を
ふんだんに盛り込めたのではないかと考えています。
そうそう、「豊崎やべぇ」はいかがでしたか…その筋の方々。
大沖さんキャラならば
「焦った時にでるあの台詞」をやってもらいたい。
わざわざそのために盛り込んだやりとり…でした。

アニメとしては普通ですが、これ報道番組です。
そう考えると…かなりトリッキー。
おっさん解説者もテンション高いし。

すげぇキレっぷり。
ちなみに鷲崎さん、このフレーズはなんと指示なしの一発OKでした。
助かります。
声優陣は短時間で世界観を把握し、危なげなくやりとげてくださいました。
ちょっとツンな女性キャスター藤小梅、高垣女史の声はドはまりでしたね。
マスコットキャラクター「ぐにゅ」役のやまだん氏も不気味さをうまく出してくれました。

それにしても大変な仕事でした。
まったく未知の番組制作スタイルで手探りの中、
19分のカット制作期間がシナリオ確定から一週間という過酷な条件の下、
そして、あの震災…の最中。

「最高によくやった」と思います。お疲れ様でした。
みんな手が早いよね…本当助かります。

Animation Staff:
Production Design タワムレ Inc.
CG&Animation Director / Designer ASSASSIN (タワムレ)
Production Manager LINDA(タワムレ)
Composite Artist  OKAYU(タワムレ)
3D Animator / Designer 渡邊 竜実 (イアリンジャパン)
2D Animator  牧野 惇  (イアリンジャパン)
2D Designer  永田 明日香
Character Design 大沖
Special Thanks to 八木 靖生